地元の商店街を歩いていると
黒い全身タイツにガイコツのマスクをかぶった二人組みに道をふさがれた。
「イ〜!!」二人組みはカン高い奇声をあげる。
○ョッカーの戦闘員の方?
無反応なオレを見て彼らはヘンテコな踊りを踊り始めた。
なんだ?オレのMPでも奪おうとしているのか?
買い物途中の主婦の嘲笑が痛い。
「むぁてい!!」背後から野太い声がして振り返ると
赤・ブルー・黄色の戦隊モノの衣装を身に着けた男達が腰に手を当てて立っていた。
「ショーテン・レッド!」
「ショーテン・ブルー!」
「ショーテン・イエロー!」
「中年戦隊
ショーテンGUY!!!」
説明しよう。
ショーテンGUYとは地元の商店街の戦隊モノ好きな店主たちが集まって
結成したコスプレ集団であり、地域振興と商店街の売り上げアップのために
ゲリラ的にヒーローショーを行うというなんだかアレな集団だ。
ちなみにレッドは八百屋
ブルーは魚屋
イエローは、お約束のカレー屋
である。
ま・・・、つまりオレはショーのダシにされたわけだ。
「くらえ!正義のちょい不良(ワル)フライング・チョーップ!」
(ブルーとイエローにかつがれて)宙を舞うレッドのメタボリック・ボディー。
そしてチョップが当たる前から悶絶して退散する戦闘員。
「大丈夫かい?」オレのもとに駆け寄る中年三人。
「ありがとう!ショーテンGUY!!!」オレも、のってやることにした。
「お礼なんていいんだよ。ただ、僕たちのことは他言無用だよ!」
キュピーンと親指を立てるレッド。
「うん。わかった!
ところで今日はなんでブラックとピンクがいないの?」
一瞬、マスクの奥のレッドの表情が曇った。
ブルーがオレの肩を軽く叩く。
イエローがオレの手にレトルトのカレーの入った袋を握らせ
小さく数回首を横に振る。
「僕たちのことは他言無用だよ!
・・・わかったね?」
オレに釘を刺すレッドは明らかに先ほどよりトーンダウンしており
ブルーとイエローに抱えられるようにして去っていた。
商店街の八百屋の奥さん(ピンク)と喫茶店のマスター(ブラック)
が駆け落ちしたらしいというウワサをきいたのは数日後のことだった。

黒い全身タイツにガイコツのマスクをかぶった二人組みに道をふさがれた。
「イ〜!!」二人組みはカン高い奇声をあげる。
○ョッカーの戦闘員の方?
無反応なオレを見て彼らはヘンテコな踊りを踊り始めた。
なんだ?オレのMPでも奪おうとしているのか?
買い物途中の主婦の嘲笑が痛い。
「むぁてい!!」背後から野太い声がして振り返ると
赤・ブルー・黄色の戦隊モノの衣装を身に着けた男達が腰に手を当てて立っていた。
「ショーテン・レッド!」
「ショーテン・ブルー!」
「ショーテン・イエロー!」
「中年戦隊
ショーテンGUY!!!」
説明しよう。
ショーテンGUYとは地元の商店街の戦隊モノ好きな店主たちが集まって
結成したコスプレ集団であり、地域振興と商店街の売り上げアップのために
ゲリラ的にヒーローショーを行うというなんだかアレな集団だ。
ちなみにレッドは八百屋
ブルーは魚屋
イエローは、お約束のカレー屋
である。
ま・・・、つまりオレはショーのダシにされたわけだ。
「くらえ!正義のちょい不良(ワル)フライング・チョーップ!」
(ブルーとイエローにかつがれて)宙を舞うレッドのメタボリック・ボディー。
そしてチョップが当たる前から悶絶して退散する戦闘員。
「大丈夫かい?」オレのもとに駆け寄る中年三人。
「ありがとう!ショーテンGUY!!!」オレも、のってやることにした。
「お礼なんていいんだよ。ただ、僕たちのことは他言無用だよ!」
キュピーンと親指を立てるレッド。
「うん。わかった!
ところで今日はなんでブラックとピンクがいないの?」
一瞬、マスクの奥のレッドの表情が曇った。
ブルーがオレの肩を軽く叩く。
イエローがオレの手にレトルトのカレーの入った袋を握らせ
小さく数回首を横に振る。
「僕たちのことは他言無用だよ!
・・・わかったね?」
オレに釘を刺すレッドは明らかに先ほどよりトーンダウンしており
ブルーとイエローに抱えられるようにして去っていた。
商店街の八百屋の奥さん(ピンク)と喫茶店のマスター(ブラック)
が駆け落ちしたらしいというウワサをきいたのは数日後のことだった。

野球部の新人戦ベスト8入りを記念して
某所で開かれた飲み会に、なぜかオレも参加して、
宴の終了後、金井ハルカを送って帰るという大役を任された。
「アタシなら大丈夫だ」
顔を真っ赤にして言い張る彼女。
ジーンズに飾り気のないトレーナーという
想定内の私服姿に納得しつつ
オレは心の中で彼女にミニスカートを履かせてみる。
「短すぎだ。バカ」彼女が呟く。
え、なんで?
二人してそれぞれの自転車に乗り込むと
秋の終わりの冷たい風が火照った頬に心地よかった。
何か話しかけようとしたが
何を話せばいいのかわからなくて
オレは無言のままペダルを漕いだ。
「ここでいい」小さな祠のある交差点で金井ハルカは止まった。
「ココから先は、危険だ」
危険って、やっぱり家の場所とか知られたくないのか?
「わかった。じゃ、ここで」
「うん。気をつけてね。
これ、あげる。意外とおいしいよ」
彼女はオレの手に「納豆スナック」を握らせて去っていった。
なぜに納豆スナック。
そして、聞き間違いかもしれないが
最後少し口調が女の子っぽかったぞ。
やっぱり酔っ払ってたのかも。
オレは金井ハルカのあとをこっそりつけることにした。
しかし、ついさっき走り去ったばかりだというのに
彼女の姿はどこにも見当たらなかった。
おまけにどうやらオレは道に迷ってしまったらしい。
どこをどうやって進んだのか
なぜか深い森のようなところに迷い込んでいた。
ツタのようなものが自転車のスポークに絡みついて取れない。
オレは自転車を置いて走り出した。
走っても走っても市街地にはたどり着けず
森がオレの脱出を阻んでいるようにさえ思えた。
走ったせいか、今頃になって酔いがまわってきて
意識がだんだん薄・・・
*****************************
気がつくとオレは金井ハルカと分かれたあの祠の交差点うつぶせで倒れていた。
時計を見ると彼女と別れてから10分ほどしかたっていない。
キツネにつままれたような気分とはこのようなことをいうのだろうか。
ふと手を見ると
両手の甲になにやら文字が書いてあるのを発見した。
左手に「バ」
右手に「カ」
と一文字ずつ。
子供のいたずらにしてはやたらと字が綺麗だ。
なんなんだ?今日は。
そしてオレの背中には紺色のピーコートがかかっていた。
よく見てみると、そのピーコートは
ユカ通っている女子高指定のものだった。

某所で開かれた飲み会に、なぜかオレも参加して、
宴の終了後、金井ハルカを送って帰るという大役を任された。
「アタシなら大丈夫だ」
顔を真っ赤にして言い張る彼女。
ジーンズに飾り気のないトレーナーという
想定内の私服姿に納得しつつ
オレは心の中で彼女にミニスカートを履かせてみる。
「短すぎだ。バカ」彼女が呟く。
え、なんで?
二人してそれぞれの自転車に乗り込むと
秋の終わりの冷たい風が火照った頬に心地よかった。
何か話しかけようとしたが
何を話せばいいのかわからなくて
オレは無言のままペダルを漕いだ。
「ここでいい」小さな祠のある交差点で金井ハルカは止まった。
「ココから先は、危険だ」
危険って、やっぱり家の場所とか知られたくないのか?
「わかった。じゃ、ここで」
「うん。気をつけてね。
これ、あげる。意外とおいしいよ」
彼女はオレの手に「納豆スナック」を握らせて去っていった。
なぜに納豆スナック。
そして、聞き間違いかもしれないが
最後少し口調が女の子っぽかったぞ。
やっぱり酔っ払ってたのかも。
オレは金井ハルカのあとをこっそりつけることにした。
しかし、ついさっき走り去ったばかりだというのに
彼女の姿はどこにも見当たらなかった。
おまけにどうやらオレは道に迷ってしまったらしい。
どこをどうやって進んだのか
なぜか深い森のようなところに迷い込んでいた。
ツタのようなものが自転車のスポークに絡みついて取れない。
オレは自転車を置いて走り出した。
走っても走っても市街地にはたどり着けず
森がオレの脱出を阻んでいるようにさえ思えた。
走ったせいか、今頃になって酔いがまわってきて
意識がだんだん薄・・・
*****************************
気がつくとオレは金井ハルカと分かれたあの祠の交差点うつぶせで倒れていた。
時計を見ると彼女と別れてから10分ほどしかたっていない。
キツネにつままれたような気分とはこのようなことをいうのだろうか。
ふと手を見ると
両手の甲になにやら文字が書いてあるのを発見した。
左手に「バ」
右手に「カ」
と一文字ずつ。
子供のいたずらにしてはやたらと字が綺麗だ。
なんなんだ?今日は。
そしてオレの背中には紺色のピーコートがかかっていた。
よく見てみると、そのピーコートは
ユカ通っている女子高指定のものだった。

夜中、部室に忘れ物を取りに行くと
スパイクを磨いている華奢な男がいた。
オレはその部員に見覚えがない。
しかしその男の噂だけは先輩から聞いていた。
「もしや、アナタは夜中にスパイクだけ磨きに来る・・・」
「そうです。幽霊部員です」
「じゃ、あなたが50メートルを5秒台で走るという伝説の」
「幽霊部員です」
「そのスピードと、巧みなステップワークで
まともに試合に出ていれば高校日本代表間違いなしといわれた」
「幽霊部員です」
「次期キャプテン候補として人望もあった」
「幽霊部員です」
「マネージャーと幼なじみでひそかにつきあってた」
「幽霊部員です」
「・・・でも、二年前
地区予選決勝の朝、道路に飛び出した子供をかばおうとして
トラックに轢かれて死んだ・・・」
「・・・幽霊部員です」

スパイクを磨いている華奢な男がいた。
オレはその部員に見覚えがない。
しかしその男の噂だけは先輩から聞いていた。
「もしや、アナタは夜中にスパイクだけ磨きに来る・・・」
「そうです。幽霊部員です」
「じゃ、あなたが50メートルを5秒台で走るという伝説の」
「幽霊部員です」
「そのスピードと、巧みなステップワークで
まともに試合に出ていれば高校日本代表間違いなしといわれた」
「幽霊部員です」
「次期キャプテン候補として人望もあった」
「幽霊部員です」
「マネージャーと幼なじみでひそかにつきあってた」
「幽霊部員です」
「・・・でも、二年前
地区予選決勝の朝、道路に飛び出した子供をかばおうとして
トラックに轢かれて死んだ・・・」
「・・・幽霊部員です」



