夢か、うつつか、幻か・・・。 架空の男子高校生の日記。
ふぁんと夢
冬夜幻想
2006-12-07-Thu  CATEGORY: 未分類
寒さで空気がぴんと張りつめた冬の夜
オレは川沿いのテラポッドに腰かけている。
ダッフルコートの右ポケットの中にはユカの左手。
つめたくて、滑らかな陶器のような手だ。
その手を握っているオレの手は汗ばんでいる。
でも、いまさら手を離すのも不自然なのでなにくわぬ顔で川を眺めた。

向こう岸には、国内最大だというジェットコースターが
月明かりに照らされ青白く鈍い光を放っている。
しかも、都会では珍しい星がよく見える夜だ。

もしかして、これは、いけるのでは?
このままの状態で
フリーになっているオレの左手を前方から
彼女のやはりフリーになっている右手を握り
いわゆる「抱き合う」状態になってもかまわないのでは?
そんな夜なのでは?そんなナイトなのでは?

オレは音が出ないように生唾を飲み込み
ユカの様子をうかがう。

学校指定のピーコートの袖を右手で握りしめて
ぼんやりと向こう岸を眺めている。

そういえば、最初に会ったときもピーコートを着ていたっけ。
すごく似合っていたからよく覚えている。
駅前のダンキンドーナッツで中学時代の女友達に紹介してもらったんだよな。
あれ、あの紹介してもらった女友達って誰だっけ?

ま、いいか。

ユカの短めの髪は冷たい風に吹かれて少し乱れて
キャプテン翼みたいになっている。
だけどオレはその下からのぞくうなじに見とれてしまう。

つるりとした、白いうなじ。 そしてうっすらと見えるチャック。

・・・チャック?

もう一度彼女のうなじを凝視する。
・・・間違いない。肌と同色のチャックが頚椎を沿うように付いている。

「どうしたの?」

ユカがオレの顔を上目遣いで覗き込む。
いつもはとてもカワイイと思う彼女のそんな仕草も
髪の分け目から額にうっすらと走る縫い目のようなものを発見してしまっては
どう感じたらいいのか。チャッ、チャックと縫い目はどうしたの?と聞くべきか?
知らないフリを続けるか?いや、ムリ!やっぱりチャック・・・
そういえば、ユカの苗字ってなんだっけ?なんで知らないんだ、オレ?
苗字、いや、チャック、または縫い目・・・

ざばーん!!

唐突に黒い水面から野球部の女スラッガー・金井ハルカがあらわれた。
今日はジャージじゃなくて黒いウェットスーツ姿だったが
金属バットを持っているのは変わりなかった。

ユカは金井ハルカのことをじっと凝視している。
その瞳からは一切の感情が感じられない。

オレはこの状況、空気、その他もろもろに耐えられず叫んだ。

「なんだよこれ!夢?夢だよな!? なぁ!!」


「だといいがな」
金井ハルカは金属バットを上段の構えに振りかぶって
オレの脳天を叩き割った。






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コメント

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連カキすいません
コメントncy | URL | 2006-12-09-Sat 11:08 [EDIT]
えええぇ〜!?
ドキがムネムネな展開です
コメントヒガシノサカエ | URL | 2006-12-09-Sat 14:06 [EDIT]
>ncyさん

この先どうしよう・・・。
コメントncy | URL | 2006-12-10-Sun 17:04 [EDIT]
コーヒー吹いたデスよw
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